アコースティック・プリアンプ裏話 ~其の二~
・・・Previously on ABP-1
Amrita Custom Guitars とM.I.J Pedals コラボで生まれたエレ・アコ用プリアンプ
Acoustic Blender Preamp D.I.開発秘話(?)第2話!
(そんな大袈裟な話でもないんですけど。。。)
先ず、エレアコ用プリアンプを作るにあたり、どんな機能が欲しいかを挙げてみました。
・2インプット
マグネット+貼り付けピエゾなど、2種類のピックアップをミックスするスタイルは
アコギ・プレイヤーの中では既にメジャーな方法の一つだと思います。
ブリッジ・ピエゾのみでの音に比べると弦鳴りとボディ鳴りを両立できたりと
よりアコースティック感を得られるのが最大の利点なのではないでしょうか。
(一方、やや個人的見解ではありますが、エレキ主体のプレイヤーにはブリッジ・ピエゾのサウンドこそ
「エレ・アコ」という認識が強く、好まれている方も多い様にも思われます。)
・3 band EQ
2インプットあるならばEQも各チャンネルに欲しいところですが、、、
自分の経験上、ライブ会場の違いなどで「絶対的」なセッティングというのは難しく、
操作できる部分が多くなればそれだけ迷える幅も大きくなるという点がありました。
ならばという事で、潔くEQはトータルでの3 bandのみに。
・ブースト
エレアコ・プリアンプにおいて「ただ素直に少しだけ音量ブーストする機能」は単純な機能の様ですが、
それを満たしている物は実はあまりありません。
エレキ用のコンプレッサーなどを追加してもナチュラルさからはどんどん遠くなり中々良い結果が出ないのが
アコースティック楽器の難しい所でもあります。
「ピュア・ブースト」言葉通りのこの機能は必須です。
・ミュート
当然あって欲しい機能ですね。
・ペダル・タイプ
やはり手軽な運搬性は大事です。
フット・スイッチなどを別途必要とするのは面倒ですので、
オール・イン・ワンにしたペダル・エフェクターのスタイルで。
何だか理屈っぽく書きましたが、、、
先ずはこれ等の機能を網羅した叩き台となるべくプロトタイプの製作です!
こ~してあ~してあーだのこーだのと考え右往左往しながらも、揉めに揉めての満場一致でプロトタイプが完成しました。

問題無く動作する事を確認した後に、現場でないと分からない部分も確かめるべく、
リハーサルやライブ現場でも何度か試し、詳細も煮詰め、よしこれだ!という物になった時、、、
「う~ん、エエ音や~ん・・・」
ノイズも少なく、右手左手のタッチを素直に表現でき、ブーストの効きも自然そのものです。
「素敵な立派な叩き台」の完成です!
大きな安堵と共に方向性に確信が持てました!
そりゃあ口元も緩みます(笑)。
さあ、これからです。
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